いや、太極拳に限らず他の武術も武道も美しい。
というより「強いは美しい」のだ。
美しい花にはパワーがある。
美しい絵にはパワーがある。
美しい音楽にはパワーがある。
逆を言えばパワー(強さ)があるから美しくなる。
その中でも太極拳の動きは独特の美しさがある。
日常生活で跳んだり回ったりすることはあっても
太極拳のようにゆっくりスローモーションのような動きをすることがあるだろうか?
楽しかったり、機嫌が良かったり、元気だったりすると、心が踊りだし、体も踊る。
しかし太極拳の動きは意識しないとあのような動きにはならない。
あえて言うなら、
子供が寝ているそばを歩くとき音を立てないように歩く。
恐らく太極拳の動きになっていると思う。
或いは、薄氷の上を歩く時も同じ。
氷を割らないように歩こうとすると、自然と太極拳の動きになる。
田んぼや泥沼で泥がはねないように歩く感じと言ってもいいだろう。
足腰に負担を掛けずに、自ずと体幹を使って動こうとする。
早く覚えたい一心で速く動こうとする人がいる。
私は「ゆっくりゆっくり」と促す。
それでもどうしても速くなってしまう。
速く動こうとすると当然使う筋肉は速筋。
しかし太極拳で使うのは遅筋。
使う筋肉が違うから速く動いては決して太極拳の体はつくられないし
太極拳の動きにはならない。
決してイライラしないこと。
当会ではイライラ禁止にしている。
イライラは何も生み出さない。
心が乱れ動きも乱れる。
動きが乱れるから更に心が乱れる。
なにもいいことはないのだ。
なかなか覚えられなくとも、目の前にある石段を一段だけ上ろうとしてみる。
その一段を上ることが出来たら、次の一段をと。
決して一気に駆け上がろうとしない。
躓いて怪我するのがおちだ。
スピードの出し過ぎは事故の元と言うが、
それは交通事故だけではない。
仕事でもなんでも早く動くと良くも悪くも痛い目に遭う。
私の経験からすると、急速な事業展開を試みた時、周りの反感を買い、
袋叩きにされたことがある。
出る杭は叩かれるのだ。
電話で呼び出され、現地に着くと若い男たちが7~8人。
よってたかって殴られた。
反撃することも出来たが、私は自分がビジネスリーダーである立場であるため問題を起こすことはできない。
結果、なすがままだった。
無論、平気でいられるはずもなく悔しくて悔しくてならなかった。
しかし歯を食いしばって耐えた。
36歳の時だった。
その後ペースをゆるめ、足元を固めながら事業展開した。
1年後、私のビジネスは成功しハワイ暮らしができるようになった。
余談だが、
ハワイ(正式にはオアフ島)はサンゴ礁が盛り上がってできた島。
島全体がパワーアイランドで、ただ住んでるだけでもモリモリと元気が出てくる。
澄み渡ったコバルトブルーの海と空。
常に爽やかなトレードウインドーが吹いて、
毎日のように降るミストのような小雨により美しい虹が頻繁に見られる。
ハワイに行くと持病が治ると言う知人もいたが、
私もハワイで風邪ひとつひいたことがない。
数人に殴られたご褒美がハワイだったということ。
さて、
今回、件名を美しい護身術としたのは
昨夜、サークルの体験に来られたお二人から伺った感想をそのままひとつにまとめてみたらこうなった。
お一人は、私の演武を見て、とても素晴らしいと褒めてくださった。
もうお一方は、大切な人と歩いていて絡まれた時に対処する方法を身につけたいとのことだった。
どちらも太極拳を始める動機としてぴったりだと思った。
なぜなら、太極拳は世界一美しい護身術だからだ。
闘うために生まれた武術ではなく
守るために生まれた武術。
太極拳は
健康を守り、
自分を守り、
大切な人を守るすばらしい護身武術なのである。
いつもご愛読してくださっているAさん、
この度は素敵な本と美しいグラスありがとうございます。
とても気に入りました。
それに頂いたringoさんのスーパームーンの写真葉書に一目ぼれしてしまい
ブログのヘッダーに使わせて頂きました。
すごいパワーを感じます。
しばらくはこのスーパームーンのパワーを借りて頑張ろうと思います。