昨夜のサークルで会員さんに攬雀尾(らんじゃくび)の擠(せい)の使い方を体得してもらおうと、「ここを押してみてください」と肩を差し出した。
しかし、なんとも全く力が伝わってこない。
私は「腰から力を出そうとすると基本的な攬雀尾の形になりますよ」と説明したかったので、いつでも倒れる準備で肩を差し出した。
しかし、残念ながら倒れるつもりで構えている私自身がビクともしないので説明ができなかった。
確かに、Nさんは細身でかなり華奢なタイプ。
そこで、今度は割と普通体系のKさんに押してもらった。
Nさんより多少は力が伝わってきたが、しかし私の体は全く動かない。
いわゆる、私のやりたかったのは女性の場合は男性に比べ腕力が劣るから、物を押そうとすると自然と腰を使うということを説明したかったのだ。
その形こそが攬雀尾なのだと。
手で押すのではなく、腰から押す。
言い換えれば丹田から押す。
いずれも作戦失敗に終わったのだが、
それにしてもなぜ私の体は動かなかったのだろう?
演武をする時は風のように軽くなることを意識し、そうすることによって体の重さをあまり感じなくなり、手も足も軽やかに動かすことができる。
しかし、いざ対戦となると、軽いのでは困る。
それこそ指先でひょいと押されただけでぶっ倒れてしまう。
いわゆる、体の重さをその状況によってコントロールしないといけないわけだ。
そんなことができるのだろうか?
そういえば、私はあれからもずっと陳式太極拳の基本功を続けている。
教室は事情により退会することになったが、型はともかく基本功は毎日のメニューとして必ず行っている。
そして、一昨日鏡を観て思った。
以前より体が前傾しなくなっていた。
前傾しなければ無理だと思っていたけど、何かが変わってきたのだろうか?
もしかしたら私は結論を急いでしまったのかもしれない。
あと、もう少し努力すれば極端に前傾しなくとも立てたのかもしれない。
いずれも未来のことは解らないから、これからも毎日続けて行こうと思う。
結果的に、私の体は軽くなったのだろうか?
それとも重くなったのだろうか?