速さでいうと、長拳や、いわゆる少林拳などの剛拳をイメージするだろうが、実際の太極拳は凄まじく速い。
その力や本当の威力を普段見せないのがカッコいいんですよね。
というより、太極拳=ゆっくりとした型 というイメージが出来ているけど、そもそも型は技術や力量を上げるための練習法に過ぎない。
実際は型どおりに戦いが進むわけではないし。
ギターやピアノでも速いパッセージを弾こうとするなら、まずゆっくり練習して、徐々にスピードを上げていくが、そうすることで速く正確に弾けるようになる。
だから、普段見る太極拳の姿は結果ではなく原因なのだと。
太極拳が初めて生まれた時は、型からではなく戦術からだったと思う。
相手がこうきたら、こう攻略する・・というふうにまず戦術を編み出し、それを実践で使えるように、型や推手、散手などの練習法、鍛錬法が編み出されたのだと考えるのが自然かなと。(あくまでも私の勝手な解釈だが・・)
いずれも実際のスピードは長拳と何も変わらない。
ただ、長拳の場合は、最初から戦う時と同じスピードで練習するが、逆にゆっくり練習するというのがない。
だから、見ればどう戦うのかすぐに察しがつく。
だが、太極拳は型を見ているだけではぜんぜん解らない。
これこそが太極拳のおもしろさなんだと思う。
今、全日本出場のために太極刀の練習をしているが、ある先生から「姿勢はいいけど、演武が雑」とのお言葉を頂いたので、今は可能な限り気を練りながらスローで練習している。
楊式太極刀は太極拳とは異なり、動きが速い。
でも、速いものを速いままに練習してしまうと、確かに動きが雑になる。
最近ゆっくりと練習するようになってから、一動作に対しての緻密度が上がってきたように感じている。
今後どうなっていくのかが楽しみだ。