力ではなく意を用いて技を使う中国拳法を内家拳と呼ぶ。
その中で最も代表的な流派が太極拳(たいきょくけん)
ゆっくりやらわかい動きが特徴で、
主に化勁(相手の攻撃を無力化する術)を用いて相手を崩したり飛ばしたりする拳法。
次に形意拳(けいいけん)
一打必倒と言われる内家拳最強と知られる拳法。
勢いよく蹴り出した推進力を利用し攻撃するが、
暗勁(打たずに相手にダメージを与える術)を使って打つため派手な動きはみられない。
そして八卦掌(はっけしょう)
自転と公転を組合せ、円を描くように動きながら、掌を用いて攻撃するのが特徴。
独特な歩法を用いるので動きが読めず、相手をかく乱しながら攻撃を加える。
当会ではこの3つを稽古内容として練習しているが、
それは戦うためではない。
主なる目的は、体を鍛え、心身共に強くし、病気しない身体を手に入れること。
その上に自分の身を守るために、これら拳法を使って護身に役立てられるよう練習を行っている。
そもそも内家拳とは護身武術であり、戦うために編み出された拳法ではないとされている。
攻撃すれば相手からも攻撃されるように、終わりのない戦いがひたすら続く。
そして闘う意思のない者までもが犠牲を払い、その数の方が多くなることがほとんど。
歴史を振り返るとこのような悲劇がずっと繰り返されている。
内家拳の目的は、戦いを終わらせることにある。
内家拳の攻撃は実際は攻撃ではない。
相手の攻撃を鎮める術。
いわば平和のための拳法。
少なくとも私はそう信じてるし
私が内家拳を愛し内家拳を選んだ最大の理由。
八卦掌にしてもしかり。
闘うためではない。
八卦掌の基本功である走圏はただ円を描きながら歩くだけ。
こんな簡単な鍛錬法で、瞬時に心が癒され、無限の知恵が得られ、大いなる力を得る。
禅の境地とも言える。
そもそも犯罪は心の乱れから起こる。
だから癒しが必要。
皆が八卦掌を行えば、皆が安らかな気持ちになれる。
だから、
戦うためでもなく、
踊るためでもなく、
癒しのために八卦掌を広めたい。
これが八卦掌によって歩きだしてから思うようになったことだろうか。